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二十歳の原点 再び そして四人囃子 [エンターテイメント]

[本]2月のことだけど、web上でこんな番組がオンエアされたと知って、
でいりーもーしょんで動画を探してみました。大阪制作なんで関東じゃ観られません。

「はたちの原点」かと思いきや「にじゅっさいの原点」って読みらしいけど、
こまけーことはいいんだよ[手(パー)]

因みに私は団塊の世代でも全共闘世代ではありません。
ただの偏屈な中途半端世代の人間と意識しています。

http://dai.ly/x5bgt7t 「かんさい熱視線」NHK大阪放送局制作
「悩んで もがいて 生きて 私たちの“二十歳の原点”」

 今どきの若い人がこれ読んでるなんて、そして出版社はまだ増刷してるとは
ちょっとした驚きです。
昔の人間なんで、時代の趨勢で誰もが必読の書籍でした。

シュプレヒコール・アジテーション・オルグ・バリケード
体制打破・官憲カエレ・安保粉砕
こんな単語はもう死語と化してて、今の人は意味わかるんかな


[本]高野悦子「二十歳の原点」新潮社 1971年初版刊 

IMG_0284.jpg

初版刊行からもう半世紀近くになり、
手元の単行本は(1972年2月第24刷)小口が黄ばんできています。
過去に2回は再読している覚えがありますが、
今回は「斜め読み」でした。
もうこれ以上、他人の内面には突っ込みたくはありません。
共感することもなく倦怠感だけが残り、
おこがましくて書評なんぞ出来ません。

本文最後に記されたいっぺんの詩、
これはかの心象風景を表したものか、
秀逸なものだと思われます。



 
旅に出よう

テントとシュラフの入ったザックをしょい

ポケットには1箱の煙草と笛をもち

旅に出よう

出発の日は雨がよい

霧のようにやわらかい春の雨の日がよい

萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら


そして富士の山にあるという

原始林の中にゆこう

ゆっくりとあせることなく


大きな杉の古木にきたら 一層暗いその根本に腰をおろして休もう

そして独占の機械工場で作られた1箱の煙草を取り出して

暗い古樹の下で1本の煙草を喫おう


近代社会の臭いのする その煙を 古木よ おまえは何と感じるか

原始林の中にあるという湖をさがそう

そしてその岸辺にたたずんで

1本の煙草を喫おう

煙をすべて吐き出して

ザックのかたわらで静かに休もう

原始林を暗やみが包みこむ頃になったら

湖に小舟をうかべよう


衣服を脱ぎすて

すべらかな肌をやみにつつみ

左手に笛をもって

湖の水面を暗やみの中に漂いながら

笛をふこう

小舟の幽かなるうつろいのさざめきの中

中天より涼風を肌に流させながら

静かに眠ろう


そしてただ笛を深い湖底に沈ませよう




[映画]70年代にベストセラーとなったこの作品は、東宝にて映画化されました。
当然スクリーンでも観ましたが、ビデオ化もされず
たぶんテレビでのオンエアもありません。

ただ、この本編のサウンドトラックはレコード化されて存在します。
(CDも現在入手可能)

[CD]1973年東宝レコード
映画「ある青春/二十歳の原点」のサウンドトラック盤(廃盤)
IMG_0282.jpg

[音楽]音楽は 森園勝敏の四人囃子
日本のプログレの先駆である 四人囃子
これ知る人ぞ知る名盤です。むかしっからこんなのばっかり聞いていました。
この音源がなければ、映画「二十歳の原点」はクソみたいな作品です。

https://youtu.be/SWNHERumQkk



[本]高野悦子 1949年1月2日生。
 そして作家・村上春樹は、1949年1月12日 京都の生まれ。奇なることで10日違いの同世代です。
これ豆 (`・ω・´) キリッ








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tai-yama

タバコの描写があるのが時代を表していますね・・・・
今、そんなことをやったらどっかから係の人が出てきて罰金と(笑)。
70年代の時と比べて、今の方がおおらかさがなくなったような。
by tai-yama (2017-03-18 21:22) 

deepredcocktail2

> tai-yama さま  未だにタバコやめられない馬鹿者がココに居ますw
by deepredcocktail2 (2017-03-19 21:14) 

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